アドベンチャーの「王様」はオフロードでもスゴいのか?BMW「GS」シリーズ5機種をイッキ乗りテスト!

BMWのGSと言えば、泣く子も黙るアドベンチャー界の王様。ただ、アドベンチャーと言うとツアラーイメージも強く「オフロードもソコソコ行けるけど、本業はツアラー」と思っている人も多いのではなかろうか? そこで今回はGSシリーズをオフロードコースで一気乗りしてその実力に迫るぞ!

文:青木タカオ/写真:柴田直行/まとめ:オートバイ編集部

現行モデルの「GS」フルラインアップに試乗!

難所も着実に乗り越える「持久力」がGSの強み

ダートへの対応力を持ちながら、長距離も快適にこなすアドベンチャーというカテゴリーを確立し、牽引してきたBMWのGSシリーズ。「世界一過酷なラリー」と言われたパリ・ダカールラリーで、初代R80G/S(1980年)が名声をあげると時代とともに進化。

後継モデルたちは欧州にて「アルプスローダー」として、ハードな長旅に出るツーリングライダーたちに高く支持されていく。やがて各社が対抗モデルを次々に登場させるほどこのカテゴリーは熱気を帯び、気がつけば、「本家」のBMWだけでも、さまざまな個性を持ったGSが出揃っている。

そこで気になるのがGSシリーズのオフロード性能。たとえば、フラッグシップのR1300GSは大幅に軽量化されたとはいえ、車重は269kg。スペックを見る限り、ためらいなくダートに入る人は限られるだろう。

そんなユーザーたちの気持ちを見越してか、BMWモトラッドジャパンが初代をオマージュしたR12G/Sのデビューを機に、最新機種をオフロードコースに集めてくれた。

自信の表れなのか、舞台はモトクロスレースにも使われるクローズドコース。前後タイヤをブロックに履き替えているとはいえ、普通なら大排気量車では到底走ろうとは思わない難しい環境。傾斜が大きいバンクをアウト側に設置したタイトコーナーや、トリッキーな立体セクションもあるスプリントコース、急坂を駆け上がってから谷底へ一気に下るエンデューロ的なマウントコースまで、全5モデルのGSを存分に走らせてみた。

試乗当日は晴天から急な雨、そしてまた晴天。路面コンディションも時間とともに激変し、GSが想定する冒険的なオフロード環境が、奇しくも凝縮された1日だった。

それぞれに持ち味がある中、GSに乗って感じたのは「どんな試練が待っていようとも先へ進むことを諦めなくていい」こと。

瞬発力ではなく、持久力と言えば良いだろうか。ボクサー、パラツインを問わず、ライダーが落ち着いて操作すれば、スタックせず難所をひとつずつ乗り越えていける。これが信頼の証であり、冒険するライダーたちの相棒して選ばれる理由なのだ。

※以下、インプレ:青木タカオ

BMW「R12G/S」インプレ

荒れた路面も苦にしないコントロール性の高さ!

R12G/Sはビッグオフローダーと呼べるほどの実力の持ち主。重量車になるほど難しい立体セクションでの対応力が素晴らしく、サスの反動と抜重を使ってジャンプの飛距離や高さもコントロールできるし、着地の衝撃もスロットルワークで逃すことができる。

ジャンプの斜面への進入は真っ直ぐに入るのが鉄則だが、R12G/Sならオフロードモデルのように飛び出し時の進入を斜めにして、テイクオフと同時にハンドルと身体を捻りつつ車体姿勢を修正させることも可能。路面が荒れた状況下でも、アグレッシブにアクセルを開けて、コブなど細かい凹凸を飛び越えることができるのだ。

また、ボクサーツインならではの低重心も際立ち、たとえ車体の姿勢を乱しても、スロットルひと開けで挙動を収めて乗り切れてしまう。クランクマスの大きなエンジンは全域で穏やかなトルク特性だが、欲しいところで駆動力を引き出せるピックアップの良さもあり、右手の操作だけで難所を切り抜けることもできるぞ‼

【インプレ】BMW「R12G/S」(2025年) - webオートバイ

BMW「R1300GS アドベンチャー」インプレ

バランスに優れた車体がオフでは頼もしく感じる

走り出すまではその巨体に気後れしていたが、オフロードに入ると一転して頼もしい存在に。

深いギャップに入っても底付きや、スキッドプレートを擦ることはなく、前後サスの優れた路面追従性と卓越したトラクション性能からなるオン・ザ・レール感覚を楽しめ、身体の力を抜くことができるから驚き。衝撃への対応は、バランスに優れる車体に任せておけばいいのだ!!

【インプレ】BMW「R1300GSアドベンチャー」(2025年) - webオートバイ

BMW「R1300GS」インプレ

ASAはオフロードでも魅力的!

クラッチ操作が不要のASAには谷底から駆け上がる森林コースで助けられた。駆動力を途切れさせないから、卓越した登板力を発揮。

濡れてスリッピーになったガレ場でも車体は弾かれず、トラクションを効率よく路面に伝えてくれた。速度の落ちるタイトコーナーでもクラッチ操作から解放されるメリットは大きい。車体姿勢への配慮が丁寧になり、疲れも飛躍的に軽減される。

BMW「F900GS」インプレ

軽量スリムなビッグオフ

コーナーでは狙ったラインを正確にトレースし、速度を維持したままバンクに当ててしまえば車体を深く寝かせることもできる。

「エンデューロプロ」モードはリアが流れるのを許容してくれ、立ち上がりで窮屈になってもスルッと向きを変える俊敏性も発揮。踏ん張りの効くサスとスリムな車体、細身のシートの組み合わせで、頭ひとつ出たオフロード性能を誇る。

【インプレ】BMW「F900GS」(2024年)- webオートバイ

BMW「F800GS」インプレ

林道で良き相棒になりそう

今回試乗した5車の中では最もオンロード寄りの味付けで、ペースアップするとサスペンションがフルボトムするが、淡々とオフロードをコースを周回できる走破力を持っているあたりはさすがGSファミリーの一員。

やわらかい足まわりで、衝撃を吸収しきれなくなってもバランスを大きく乱すことがなく、ライダーに限界を教えてくれる。林道ツーリングで良き相棒になりそうだ。

文:青木タカオ/写真:柴田直行/まとめ:オートバイ編集部

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2026-01-07T10:37:55Z