冬こそ実感できる走りの安心感 ゆとりのリアシートと確かな4WD性能! 雪道で際立つスバル「フォレスター」の強みとは?

日常領域の高い完成度と“雪道での信頼感”

“その年を代表するクルマ”を選出する「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。2025-2026シーズンのイヤーカーに選ばれたのは、スバル「フォレスター」でした。つまり、“2025年にデビューしたクルマを代表する1台”といい換えていいでしょう。

 2025年のフルモデルチェンジで6世代目となった「フォレスター」を、筆者(工藤貴宏)はこれまで何度もドライブしてきました。パワートレインは、1.8リッターターボと2.5リッター自然吸気エンジンの“ストロングハイブリッド”から選べますが、どちらも一般道から高速道路、ワインディング、そしてサーキットと多くの環境で試乗。乗るたびにそのトータルバランスの高さに感心させられてきました。

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 そんな「フォレスター」ですが、実はまだ試せていなかったコンディションがありました。それがスタッドレスタイヤ+雪道。今回は、そんな冬の路面でのテストドライブを通じて感じた「フォレスター」の真価をご紹介しましょう。

 まずは旭川市内から一般道と高速道路で北上。冬の始めだからか、まだ道路上に雪はありません。

「それにしても、広いなぁ」。今回のテストドライブは、複数人で移動するプログラムだったこともあり、筆者はまずリアシートに乗り込んだのですが、まず驚かされたのは足下スペースの“広さ”でした。

 現行「フォレスターは先代モデル=5世代目のパッケージングを継承しているため、新しくなったからといって足元空間が拡大されているわけではありません。

 しかし、後席足元んは大人が足を組んでもゆったり座れるだけのスペースが確保されており、このクラスとしては立派です。

 この空間的なゆとりは、スバルの「クロストレック」やトヨタ「カローラクロス」といったひとまわり小さいクロスオーバーSUVとの差を強く実感させられるところです。車体サイズがもたらしてくれるメリットを感じます。

 極楽、そして快適。ファミリーユーザーならこのリアシートの広さだけで、「フォレスター」を選ぶ理由になり得るでしょう。

 そんな「フォレスター」のリアシートですが、実はその快適性を高めているポイントは広さだけにとどまりません。例えば背もたれにはリクライニング機能が備わっており、好みや気分に合わせて背もたれの角度を調整できます。大きく倒せるわけではありませんが、角度を調整できるだけで座っている際の快適性が大きく高まるのは疑いようのない事実。もちろん、左右独立で角度を調整できるのはいうまでもありません。

 そして、筆者が多くの人にぜひ知ってもらいたいのが、リアのシートベルトに施された工夫。ベルトの引き込み部(肩周辺)の形状が絶妙で、リクライニングの角度を問わずベルトが肩にフィットするのです。最も後ろ側にリクライニングさせた状態でも、ベルトが肩から浮くことがないのです。これは現行「フォレスター」に限らず、スバルが生産するほとんどの車種に共通する工夫ですが、スバルの安全へのこだわりはこういう細かいところまで貫かれているのだと感心させられます。

 また現行型「フォレスター」には、すべてのグレードに“サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ”を標準装備。これは世界初採用となるシステムで、歩行者やサイクリストの命まで最大限守りたいという、スバルの思想をうかがわせます。もちろん、コストアップが生じる機能ですが、それをいとわず標準装備化を進める姿勢には感服します。

 さて、話をリアシートの快適性に戻しましょう。

冬のドライブでは、後席にシートヒーターが組み込まれているのは大きなプラス要素。もちろん同クラスでは、装備しているモデルも少なくありませんが、すべてのグレードに標準装備というのは珍しいこと。これもスバルが求める“雪道性能”のひとつと考えれば納得です。

 広い上に、リクライニング機構やシートヒーターなどで快適性に優れ、安全性だって高い。もちろん、乗り心地も良好。そんな「フォレスター」だけに、スキーヤーやスノーボーダーに愛用者が多いのも当然の流れでしょう。

すべりやすい路面で光る情報量の豊富なステアフィール

 さて、続いてはドライバーシートに座り替えて、スタッドレスタイヤを履いた「フォレスター」で雪がわずかに残った舗装路を走ります。

 路面コンディションは基本ウエットですが、路面のところどころにシャーベット状の雪が残っている状態。雪道をドライブしたことがある人なら、そんな路面がいかに厄介で運転疲れの原因になるかを理解できるでしょう。

 厄介に感じる要因は、路面のミュー(すべりやすさ)が刻々と変化し、その対応に神経をすり減らさざるを得ないため。正直、面倒な路面コンディションです。

 そんな状況で「フォレスター」をドライブしてみて感じたのは「リラックスして運転できるから、疲れない」という事実です。

 そもそも「フォレスター」の駆動方式は、すべてのグレードが4WD。しかも、すべったときだけ4輪に駆動力を送る“オンデマンド式”ではなく、常時4輪に駆動力を伝えるトラクション能力の高さが自慢です。

 しかも、トラクション性能が高いというだけでなく、タイヤの接地感が高くて安心してドライブできます。「今、タイヤがしっかりグリップしているのか、それともグリップを失いそうなのか」、そうしたインフォメーションがステアリングを通じて伝わってきます。

 また、路面に残った雪にタイヤが乗ってグリップが失われそうになっても、クルマの挙動が急激に変わることがなく、姿勢の変化がマイルドなのです。

 おかげで、そうした路面であっても、神経をすり減らすことなく運転し続けられます。雪国でスバル車が選ばれ続ける理由の一端を実感できました。

 ところで今回は、路面の半分ほどが雪で覆われた砂利道を、オールシーズンタイヤを履いた「フォレスター」をドライブする機会もありました。

 そんなコンディション下で感じたのは、そんな悪コンディション下でもコントロールしやすい走り味だということ。トラクションが高い上にしっかりと舵が効き、クルマがすべりそうになる感覚をつかみやすいのです。

 一般的に、すべりやすい路面におけるベストな乗り味というのは、刻々と変わる路面状況をしっかり感じとれて、万一、ミューが変化してもクルマの挙動が大きく変わらないこと。その点、オールシーズンタイヤを履いた現行「フォレスター」は、グリップが失われやすい砂利や残雪の路面でもそれらをしっかり感じ取ることができるのです。

 しかも、コーナリング中にアクセルを踏み込み気味にしてクルマをすべらせながら曲がっていくときも、腕さえあればコントロールが容易。シビアなコンディションでも運転を楽しめることを再認識しました。

 スバル車といえば、雪国やウインタースポーツを楽しむ人たちから高い支持を集めていることでも知られています。

 今回、冬を感じられる環境で「フォレスター」をドライブし、そのドライバビリティと安心感、そして、快適性も含めた雪道との相性のよさなどを実感することができました。こうしたトータル性能の高さが「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」の評価につながったのは間違いないでしょう。

「フォレスター」は2025年にデビューしたモデルの中で、最も多くの人にすすめられるクルマ……そんな筆者の認識は、今回のドライブでより一層強まったのでした。

2026-01-07T05:17:28Z